自分のじゃない借金は相続放棄すれば取り立てられないって本当?

誰にだって秘密のひとつやふたつは持っているものです。それこそ「そんなこと秘密にしてなくてもいいんじゃ?」と言えるような軽いものから、「ええ、そんなこと黙ってたんだ!!」と言いたくなるくらいの重いものまで、それぞれ何かしら皆さん心のなかにしまっているものがあるかと思います。その秘密がどのような大きさでさえ、黙っていても他人に迷惑をかけないのであれば問題無いと個人的には思います。しかし、世の中には他人に迷惑がかかってしまうような秘密を抱えている人も少なくない…そんな気がします。

そんな、他人に迷惑をかける確率が高い秘密の筆頭と言えば「お金に関すること」ではないでしょうか。仮に10万円借りたことを黙っていたとしても、「1ヶ月2ヶ月あればすぐ返済できる」額であればいう必要がないと本人は思っていたということです。バレない自信があるからこそ黙っているからです。しかし、トラブルというのは突然訪れるもの。何かの拍子で亡くなってしまった場合、その10万円の借金はどこにいくのでしょうか?いくら少額といっても、死んだ人には返済を行うのは不可能です。そのしわよせは遺族にいってしまいます。

それでもまだ10万円程度であれば返済できない額ではありませんので「なんて置き土産を残してくれたんだ」と、数年後には笑い話になっているかもしれませんね。しかし、額が100万円を超えている場合…笑い話では済みません。中には300万円、400万円お金を借りたことを黙ったまま亡くなってしまい、督促状などで初めて知るケースもあるのではないでしょうか。そうなると大変です。いきなりぽんと身に覚えのない借金が現れ、返してくれと言われるのですから。今でこそ取り立てはいろいろと制限がありますが、気持ちのいいものではないですし、理不尽な思いを感じることもあると思います。それに、今の状態ではとうてい払えないなんてこともあるでしょう。そんな場合は「相続放棄」を考えてみてはどうでしょうか。

相続放棄とはその言葉通り相続自体を放棄してしまう方法です。遺産として借金まで引き継いでいるため、「遺産はいりません」と言うことで借金も放棄できます。借金がなくなるということですので、取り立てにくることもありません。ただ、相続放棄にもいくつかの注意点がありますので、それらを順番に説明していきますね。

まず1つ目は、相続放棄はプラスの財産もマイナスの財産(借金など)もどちらも放棄するという点です。例えば生命保険などを含めた遺産が1200万円ある状態で借金が400万円といったケースであれば、1200万円の遺産も放棄することになります。この場合ならば相続を放棄することはせず、借金を返済したほうがお得になると言えます。対して、特にプラスの財産はなく借金だけある場合なら相続放棄をしてしまったほうがいいでしょう。自分たちだけで計算できない場合は行政書士などに頼んで相続放棄したほうがいいかどうか計算してもらえばいいでしょう。

もう1つは、相続放棄には期間がある点です。基本的には「対象者が死んだことを知ってから3ヶ月」とあります。期間内に家庭裁判所に申し入れることで相続放棄が行われるという手順ですね。ただ、プラスの財産とマイナスの財産、どちらが残るのかわかりづらい場合など3ヶ月では間に合わない際は期間の延長を申し入れることも可能です。迷っている場合もとりあえず延長しておくほうがいいでしょう。万が一その期間が過ぎてしまっていても家庭裁判所に申し立てれば相続が放棄できる可能性もあります。心配であればプロに相談してみてもいいかもしれません。

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